ボーイフレンド/ さくら
 
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく


友情、と言っていた
会いたい、会いたくないの前に
わたしは、今ここに居て、ここに居たくて
寂しさだけをぶつけた
真夜中のファミレスは
いつも大好きなコーヒーの匂いがした


友情、と言っていた
わたしの本能の近くで、
逆らえない衝動が、今では
あの人の残した足音にもビブラートをかけている
美しい音が隠れる、キャンドルナイト


退屈、だったのかもしれない
この道に、未来をつなぐと
わたしの声がどこか漏れそうな気がして



あの人の言葉で、果てるまで
背中から本能まで撫でてゆく
今度はわたしが
明日の色を

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