オウムの歌/伏樹
 
えなのです
 鳥かごを開けるのは、
 他人のためだけ
 それが、教えなのです』

じぶんのために
開け放ちたい私は、ばかですか

いつも
誰かと抱き合った瞬間に
その瞬間に
オウムが胸から飛び立てば良いのに

そう
ひっそりと願っている


私はきっと
オウムには生まれ変われない

「死んではいないのだね」
朝起きる度に、その囁きを胸に感じるのを
私はオウムと名付けた

生きているよ、とうたえないかわりに



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