ワンルームで世界を教える/酸素の枷
 
3つの画面
3人の大人と
3才の子供

他の人生を道具に使う 
輝きを持っているそれを
悪魔の手が握る
悪魔だって必死
 
悪戯な神は
悪魔にだって容赦しない

3つの画面は大人の顔を映し
視点を結ぶ様に
中央に座る3才の子供に
視線は向けられる

「痛い」

初めての言葉

突き刺さる感覚が
まだ無垢な心に純粋な反応として
言わせてしまった
隠す術を知らず
対応する術を知らず

逃げ出す場所は分からないまま
泣き出す
3つの画面は笑みを浮かべた

数時間数日数ヶ月数年 後

泣いていた子供は
表情が無く虚ろな目で
3つの画面を見つめ中央に座る

画面は闇
どれにも何も映っていない

コンセント

抜かれていた
片隅で大きなショート音が
まだ残る

数時間数日数ヶ月数年 前

3つの画面が笑みを浮かべていた

同じ種類の笑みを

子供が浮かべた
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