ナチスラダムス/山崎 風雅
 
 時折 許されない時の 鳥

 
 さえずり鳴く 時の 鳥

 その声は
 電子音が響く都会が拓かれたより遥か以前より
 遥か先までの時の扉を開き続けていると言うのに

 
 時計の針に
 追いかけまわされ
 行きついた場所に咲いていた うたは
 誰にも伝わらないフレーズたちが
 浮かんでいただけ

 誰にも解からない言葉のリズムが
 漂っていただけ

 ただ
 それだけ

 たった
 それだけ

 それだけ


 僕も
 浮かべていただけ





戻る   Point(2)