きみのくびをしめるゆめをみたい/梨玖
 
真夜中月明かり薄明かり
打たれる麻酔の冷たさ
ふわふわ浮遊する意識で
透明な飴を舐めるの


(あたしはきっとひとりだから眠るほうがいいの)
(ほらかがみにもうひとりあたし)
(きっと明日からあなたはあたし)


目を覚まさないと知った科学者
きみは金髪に指を絡ませてとびら閉めるの
この液体が身体をめぐれば
そのときあたしはきっと溶けてしまう


(かがみのあたしはきっとレプリカ)
(きっとあなたはいつか思うの)
(「せめてこの手で自分を殺せたら!」)

真っ白な肌につけられた傷に
窒息しそう
たすけてほしい
でもあたしはきっと最後まで
ふわふわ浮遊する意識で

かがみのあたしをあざわらうように

透明な飴を舐めるの


(せめてこの手であなたを殺せたら!)




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