ウサギになる魔法/噛子
僕は小さい頃、ウサギになりたくて、何故ならば、あの雪のように白く絨毯のようにフカフカな毛と、この世のものではないようなまあっかな眼が美しくて、見惚れて、そして憧れを抱いていたからだ
「ウサギになるにはどうしたらいいの?」
幼い僕は近所の(自称)魔法使いに尋ねた
「人参を食べて、曲がり角の青い扉の家に住んでいるミスターグリッドにウサギの血を貰い、毎日肌につけてゆきなさいな、この魔法書の通りにな」
そう魔法使いは云って、僕に魔法書を手渡した
僕は用心深いから、あの魔法使いが嘘吐きかもしれない、と思い、おんなの子を使って実験をすることにした
毎日人参を与え、時間になったら血を塗る儀式
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