ジルとセル/Giton
ちぎれた下着放り捨て
はだしで水と草を踏み
風は吹き、腕と腕ふれながら
セルジュ、きみと歩いていこう
…ぼくは還って来たのだから…
草そよぐ木陰の続くかぎり
きみとなら、森のざわめきも恐くはない
夜(よ)のやみも、ぼくらをやさしく包むだろう
やがて地平に、きみとむかえる朝が
生まれたての世界のようにかがやく
ぼくらは、ふたりに分かれ、またひとつになり
またふたりになって歩き出す
ぼくのなかにはきみが、きみのなかにはぼくがいるから
…ぼくの身体のなかで、きみが熱く脈打っている…
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