アリス想詩/愛心
 
浮かべて


わたしは知らない
知りたくもない
知ってしまえば

脱け出せないから



そんなときに戻って来たは

赤い瞳の白兎
濡れた毛皮の黒兎



「恋」に迷い込んだんだね




二人の兎が優しく触れる



愛しい想いも

哀しい想いも

両方同じ

あい

なんだよ




薄く染まる世界に

モノクロのわたしが
独り想う

その穏やかな心地を
「あい」と呼んで
そっと佇んでみれば

貴方の全てを
大切に想うことが

出来る気がして

優しく唇を紡いだ


「貴方をあいしてる」




戻る   Point(15)