さいごのフラッシュバック/灯和
声、途切れた理由を
知ることをためらった
まだ若かった私たちは
過ちを犯すことに
慣れていなかった。
他人の言葉をかたどることも
容易であるかもしれないけれど
かつて信じた?真実?は
他人の言葉で語れない
冬もさなかの駅の映像
蛍光灯の光、さながら堕天使
二人を連れ去ろうと、
していたのだろうか。
(行き先が終点でよければ)
夕立の代わりに血を流そう
傷口からあなたを受け入れよう
それでも私は、
あなたを見失わずにいよう。
…それが夢だったことと
濡れている頬に気がつく
思い出すのはこれで最後。
もうそろそろ
あの日から三年になる。
そして今なお
声、途切れた理由を
知ることをためらっている。
了
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