退陣式/
木葉 揺
アスファルトは不意に
思いつめたように体を丸めた
巻かれてゆく坂道
自ら傾斜に耐えられず
すまなかったね、と仕事を終える
かつて裏切った砂利道が
傍から後ろから現れ
雑草を添えて見送ってくれた
自分の体とはいえ
どこまで続くのだろう
きっと曲がったガードレールが
行き着く先だろう
体力の限界
涙を拭ったアスファルトは
くすんだ黒が涼しかった
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