本当の友情なんて知らない/猫のひたい撫でるたま子
 


時間も互いへの心配も自分からの押し付けがましい言葉ですらとても体力を使う。そうすると自分の時間がなくなって、自分がいなくなってゆく気がする。

今までに何度か恋に似た友人関係があった。思いやってもらうこと、自分を確認させられるアドバイスをくれること、互いへの興味の分量が同じこと。そんな風に近しくなってくるとなんだか自分が特別な人にでもなったような錯覚に陥る。錯覚に陥るのは、自分を見失うことだ。

そんなに特別に興味の対象が似ている人にはなかなか会えない。その人が何を知りたくて何を求めているから友達になるのかは分からないけど、そういう人は顔を好きだからすぐ分かる。そんな中に、自分が知
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