『眠る前』/あおい満月
 
 指先でたどる
 過去の先端
 二股にわかれ
 ぼろぼろに
 とけるように
 消えていく

 しなやかで
 なだらかな鼓動が
 指先から
 血管にひびく
 
 わたしは明日に向かい
 祈るように
 目を閉じる
 
 鼓動と風のとけあいを
 無の感覚が
 見えぬ水にとける
 ようにと
 
 すべてがとまる
 夜が軈て
 おとずれる
 
 こころのしたが
 あたたかな豪風に
 包まれ
 停止する

 わたしの思考



                        2009.4.19(Sun)
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