太陽と月と詩/たちばなまこと
 
太陽のまばたきのたび
土の上の世界は
うすべにからわかくさいろに
わかくさいろから確かなみどりへ
塗り替えられて
月のためいきのたび
つゆはふくれ
つゆを舐め
くさばなは伸びをして
みなみの風にそよゆれて
ああ春だなあって
ひとびとのあしどりはかすかにゆるめられ
ひとびとはそれぞれのあのひとに
焦がれている

春は子どもに似ていて
やわらかくあたたかく
あたらしいにおいがして
思わず手を伸ばしふれたくなる
そういう
魅力にあふれている
子どもを持つまで知らなかった
詩想

わかくさいろの子どもが泣く
桜ヶ丘の建物群と
鉄橋を揺らす京王線が
よく
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