光の夜道 /服部 剛
 
ら 
黙って通り過ぎる 

( ふいに見上げた 
( 暗がりの山間に顔を出す    
( 観音像は 
( 全ての秘密を識(し)るように 
( 静かに瞳を閉じていた・・・・・ 

酔いどれにとって 
かけがえのない友と 
杯を交し 
全ての想いを語らい 

世界で一番 
哀しい幸福に包まれた 
その日の夜 

彼は黙々と、歩み続けた 
街灯に淡く照らされて 
何処までも伸びてゆく 
光の夜道を 







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