ロディにのって/竹節一二三
わたしにまつわる
もろもろをかなぐりすてて
たびにでよう
ちいさなロディを
だきしめて
月のかたちのポシェットに
ハンドタオルとちりがみと
うすく赤いマニキュアと
それから桃のくちべにと
黄色いロディと
ひとりのわたし
「ながいこと たびにでます。
ロディもつれてゆきます。
どうか さがさないでください。」
さいごに日付と
わたしの署名
それからロディのあしがたを
あこがれの文句をかきちらし
それから扉をおしひらく
夏のおわりに秋のむし
強いひざしにまけないように
ちいさな帽子をロディにかぶせ
ふたりで果てへあるいてゆこう
あさとひるとよるを
光のようにつきぬけて
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