Threepenny Thursday/BOOKEND
直な話、彼女の料理はいつもイマイチだ。
不味くはないのだが、いつも微妙に惜しいのである。
しかしソレは仕方の無い事なのだとその夜ボクはビンビイルをすすりながら悟ったのであった。
え?ナニ?イヤ、もういらねえです。
電車の走らなくなった線路をまたいだついでに川を渡る。
味気のない密室の奥から微かにラジオの音がしてた。
いつどこへ行っても流れているような曲だ。
鼻にかかった歌声だって金になりゃソレが正解だしな。
だから今夜のところはきっとアンタが正しかったんだろう。
ソレで済むならオレに文句は一切ないよ。
春に見る夢はいつもあやふやでさ、
虚ろな街を彷徨うように隙間だらけの夜を過ごすんだ。
Threepenny Thursday
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