森閑/
凪目
首をたれたる山の猫
尾っぽを幹にまきつけて
上目遣いに梢を見やる
たわわに茂った緑の葉
あまねく陽射しに当てられて
葉脈をちろちろ光らせる
峠のふもとの静かな林
暮れるにつれて霧が出て
猫のまなこを濁らせる
繰り返された影の伸縮
寒空に冷たくつつまれて
まぶたは沈黙を貫いた
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