文法について 2/パンの愛人
ト欄で田柄氏は、「基本的に、日本語を扱う上で『正しい』とか言えちゃう奴は馬鹿かペテン師かの二択ですね」としているが、私は、ある「正しさ」が普遍的真理でないからといってその「正しさ」を認めない奴もまた馬鹿かペテン師の二択であることを確認し、かつまた、田柄氏がみずから馬鹿とペテン師を一人二役で演じているのではないかと疑いつつ(たとえば田柄氏の述べる文法の変移の事情はかなりいい加減なものだと思われる)、「文法間違い肯定派」(と誤解を恐れず乱暴にまとめてしまうが)のひとたちが、このようにみな一様にちゃんと読ませる文章を書くという事実をとても興味深く思う。私はこういったひとたちが読書家で、一般にくらべて文学
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