こころを一生懸命たたいてくれる詩集 河津聖恵 『神は外せないイヤホンを』/イダヅカマコト
 
河津聖恵さんの詩集、『神は外せないイヤホンを』に書かれている詩は、わたしの心のとびらを一生懸命たたく音が聞こえてくる詩集です。

2007年7月23日から8月21日にかけての30日間、毎日一つずつ書かれた詩でできています。(本当かどうかは分かりません。)

強い言葉で一生懸命たたいてくれるのだけど、扉をあけるのはわたしに任せてくれているといった、とても強く、それ以上に鮮やかなイメージに包まれた詩集です。

例えば『土地』という詩。
{引用=土地

この白さのどこに「平和」と穿てばいいか
白い虚ろをいつから私たちは歩きはじめたか ――不安はいつもそこにある
しらしら明け ふいに
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