母校の先生に贈る手紙 /服部 剛
 
 先ほど僕は、二十二年前に卒業した母校で
ある腰越小学校に電話した。今日で三十八年
間の教員生活を終えるO先生と、午後二時半
にお会いする為に電話すると、若い女の教員
が出て「あの・・・二十二年前の卒業生で、
O先生の教え子の者なんですけど・・・」と
遠慮がちに言うと、間もなく代わってくれて
「おぉはっとちゃん、今日はどう・・・?」
と、二十二年前より少し年老いたO先生が、
懐かしい僕のあだ名を呼ぶ声がとても元気な
のは、今迄三十八年間歩んで来た教師の道は
言葉にならぬ程の様々な想い出があり、その
ひとすじの道を最後まで歩み終えた感慨があ
るからであろう。 

 はっ
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