通奏低音/とうどうせいら
なにかはぜる音が
かすかに聴こえるけど
目が開かないよ
髪についていた
真珠色のあわ達が
一斉にわたしを蹴って
上昇していくんだ
海の獣はみんな荒々しくて
わたしのからだを
裂こうとするよ
水底は
通奏低音が
ずっと続いているの
うねるように
*
あなたにあいたいな
あしたは
岸よりも向こうへいく
岩浜へ出るの
あえたらいいな
こえを聴きたいな
てを
つないでほしい
もしあなたが
人魚がきらいになっていた時は
さようならって
言われてみたい
あなたを
ちゃんとすきになって
おわかれをしてみたい
それ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)