もぐら/黒子 恭
すなおになってしまいなさいよ、と
いうような事を
あなたは喋り続けているのだけれど
僕はそのどこで
愛想笑いをすればいいか
という事しか考えていない
見つけてしまえば楽になれる階段の
途中で必ず立ち止まるから
みんながみんな心配そうに
そう、心配そうに離れてしまう
離している、でもいいか
きっと世界は枕の上で
僕には足なんかなくて
手もない
翼は欲しい、ほんとは
かなしいくらい
田舎に帰る為の金が
抜き屋の自称19歳のねーちゃんにバケて
途方にくれたふりしたよ
迷う事には慣れてるくせに
うつぶせになって寝て
地球と見つめ合う
布団いらない畳いらない
地面いらないマントル越えて
僕は核融合を信じている
信じる限り地球と見つめ合う
さみしいんでしょ? と
君は聞くから
僕はここぞとばかり全力で
愛想笑いを繰り出してやる
遠くでは朝が始まりだしていた
結局、関係のない事だけれども。
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