永遠に帰するポエジー 〜蛾兆ボルカ「はちみつぶた」について〜/白井明大
抜け出た詩の流れ」であろうという点に着目したい。
時間の外における幻想は、単なる幻想ではなく、時間外=四次元との交流を意味しうる。四次元での幻獣との邂逅をかなえたものは、父が息子と時間外で繋がったことによる。つまり、四次元に踏み入り、はちみつぶたを呼び寄せたのは、父と息子との、時間の流れの外にはみ出る繋がりである、ということだ。
結論すれば、こうした繋がりを持てたとき、人の関係性は、時間を超越した場所で自在であるというポエジーを、この詩は呈示していると解釈できる。この「時間を超越した場所で自在である」というポエジーとは、永遠に帰するポエジーだと考える。
こうした点から、この
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