春酔い/山崎 風雅
 
 
 心には
 降りしきる夜のイメージ
 いつものことだけど
 黄色い笑い声
 まだなお きみは白く やわらかく
 ぼくには 敵いそうにはない
  
 散らかった部屋が語っていた孤独
 新しい季節の日差しで 調子が狂う
 揺れている心が見つめているのは
 窓の向こうに咲くサクラ
 
 黄色い笑い声
 まだなお きみは白く やわらかく
 ぼくには あこがれのまま
 少しだけ
 ハッピーエンドの映画を思い出した
 夜は深いままだけど
 こんな夜にも
 
 きっと きみは 白くやわらかいんだろう
 あぁ 胸が苦しい
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