分類される、箱詰めされる、そして僕等の元に届く。/岡部淳太郎
 
とって耐えられないのだ。だから分類し整理し、区分けして箱詰めにして、あらゆるものを同じ属性のグループ同士で結びつけ、世界を整えなければならない。それは、人が生きていく上での根源的な欲求であるといってもいい。
 そのようにして、魚は魚として分類され、鳥は鳥として、虫は虫として、獣は獣として分類され、男は男として、女は女として、有色人種は有色人種として、貧乏人は貧乏人として、弱者は弱者として、分類され整理され、区分けされ箱詰めにされる。人がつくり出したものも、都市は都市として、村は村として、国は国として、それぞれに分類される。小説は小説として、随筆は随筆として、詩は詩として、他のあらゆるものと同じよ
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