映画日記、ただし日付はてきとう3/渡邉建志
 
かもしれない。一回目から面白いと思った。モノクロからカラーに変わる瞬間、はっとするような緑。/「サクリファイス」。ラストの火事のシーン。素晴らしいタイミングで家の骨組みが崩れる瞬間、画面はさっと入れ替わり静かな海辺に。カモメが鳴き羊が鳴きスウェーデンの不思議な歌が遠くに聞こえ、子供が重そうに水を運んでいる。泣く。/「僕の村は戦場だった」。壮絶な美しさ。林をぐるぐる回転するカメラワーク。忘れられないラストシーン。/「ノスタルジア」。雨降る窓の外の緑色の美しさは、見るたびに心を打たれる。タルコフスキーの映画のなかでもこの映画がもっとも映像が美しい。「映像詩人」という形容は、この作品の彼のためにある。
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