生きていることのめぐりを感じる詩集 続 安藤元雄詩集/イダヅカマコト
 

ホザンナ
火の粉が舞う
誰がこの街へ死にに来るのか
道に敷くべき木の枝もなし
シルクハットの男達を掻きわけるすべもない
実はね この山車だってみんな装甲車さ
おれの絵は いつになったら仕上がることやら
仕上がっても見る人のありやなしや
それまで行進が途切れずに続くかどうか
ホザンナ
ホザンナ
カドミウム・グリーン
おれの仮面はまもなく落ちる

<i>註:ホザンナ
ヘブライ語の喜びと勝利の叫び声です。
意味は「どうか私たちを救ってください」(ヘブライ語 ho si a na 「どうぞ救ってください」)
この言葉は詩編118からとられています。

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