降り出し/
しべ
単線の川を何本も越えて
夏も冬も残滓などという
あやしい斑点に化ける
枕の肌木に叩きつけるのは
雨粒より緩やかに傾斜した海
星なんて数駅も前から消え失せて
今は小指の先に宿る鈴蘭ような光しかない
補色された緑の匙の縁どり
下段の子供は静かに寝てる
読み始めは古い童話
やがて無言の受話器が海を書きなぐり
雲の下の連結器から
白鳥座まで繋がるダイヤになった
あとまだ8駅
戻る
編
削
Point
(1)