銀河鉄道/
しべ
格子の梁を
這い出した渦で灰のように覆う
汚れたタッセルが乗車を促す今がある
旅に伴うベルと日記は
遠い窓際の
硬い酒瓶の横に据えた
天蓋を見つめ
朝までカーキの寝台に
体温と、投げ出す足の託せる範囲
まったく笑ってしまう
これが、六号車
油の匂い
ほら
発車時刻も過ぎた
轟然、鐵の器が奏でた残響が
火の粉となって歪んだ動輪を叩き潰す
景色が眼前で踊る
やけどする程に街の灯が揺れて
これから先は
夜汽車の物語となる
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