たんぽぽよ/K.SATO
 
白い雲に
一つ一つの宿る姿が
新しい場所へ
芽吹く命を思う
種は舞っていくのだと

真っすぐに自転車を走らせると
古代の流れを殻に思い起こされ
心を鳥たちとともに
姿を見つめたまま立てかけると
青く光る川辺につなぎ止められていた

土の下には昆虫の破片が宿り
ボートの姿に体積している
根深い影があり
いくつもの魚を内包する
けれどひたすらとどまることを知らない

このペダルは綿毛の新しい命を回転する
ノートも足としての教科書も
いくつも生えて座りこんだ
春へ育むたんぽぽに捨ててしまった
歴史の毛に見えた
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