「ビバ、カリフォルニア!」/雨野六也
「ビバ、カリフォルニア!」
三つ指をついた仲居さんはニコリともせずに呟いた。
奥の廊下を茄子の一夜漬けが遠慮がちに通り過ぎる。
冬の窓は凍っているかのように静かに向こう側を映している。
このソファは脚が四つあるんだな。
誰かに確認すると、ソファだからな。などと返される。
便器の白と白衣の白は、同じ理由だと知ってはいたが、たった今気が付いた。
絡まったロケット花火はこのままか、そのままか、そのまさかか。
渋滞明けには清々しくもあると思う。
金魚鉢を覗く、金魚はおろか、水も入ってはいない。ところがこいつは金魚鉢なのだ。
まずは、と言っておきながらもう三時間は経つ。昼に
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