白昼夢/しべ
溶けた琥珀が持つ日差しの輪郭は
枯れるまで4年かかった
ひび割れ
すっかりプラスチックのような風合いで
昼の駐車場に薄い影をもたらす
車も看板も、大きなビルも
割とありふれていて
ガラスのよう
空気の直線を指の腹でなぞって
この下町に漂う意識を探せば
はりついた電線で辿り
鼓膜を透す白のほかに
目立ったものはない
突き当たりのコンビニ
派手なポップの数々
窓に映る向かい側のシェル
息のように
排気ガスのように
石灰の海に漂う時間、泳いでみたが
人がいないのに
少し驚いただけだった
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