『空の吐息』/あおい満月
風のなかに
雨がふる
雨のなかに
風がふる
空の温度が
瞼に響く
太陽は耳を塞いで
月の吐息が零れて
星の瞬きが聴こえる頃
心地よい
あなたの
寝息の横で
わたしは唄う
子守唄
果てない空の
子守唄
まだ見ぬ空の
子守唄
ひとつの空の
子守唄
いのちと繋がる
子守唄
わたしとあなたの
子守唄
だけど
空はいつも泣いている
風は教えない
なみだを含んだ
つめたいぬくもりが
弾む髪を浚っていく
こころをぬらす
見えないかなしみ
※第三詩集・『絆』より
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