朝の砂時計/楽恵
 
誕生日の朝に
君から贈られたプレゼントは 
手のひらに乗るほど小さな
砂時計だった
君は透き通った瞳を向けて
僕にこう告げた

僕はこれから眠ることになる
僕は僕の夢のなかで 
タイムマシンに乗って
ブラックホールの向こう側へ
旅をしなくてはならない
だから君は僕の代わりに
この砂時計を回転させて
世界の時間を計らなければならない
ここから先は君が僕の代わりに
君の生命の刻限が 
僕らの永遠の若さへの信仰が
失われていくのを 
砂のなかで毎日見つづけることになる
僕が僕の夢のなかで旅をつづけるように

それから僕は今日まで
硝子のなかの小さな砂丘が

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