落日のインフレーション/北街かな
 
ゆきさる鳩が黄昏を警邏し
3丁目の交友関係を伺っている

瞳をまわし 半導体素子を絶えず組みかえて

友人は望遠レンズを拭いていた
南極大陸の岸辺を日々観察した結果
自律型情報衛星による詩的ビジュアライズの継続試行が
ペンギンたちをパタタとうち喜ばせ
彼らの睡眠を害しているようだから
きのどくで、ぼくまでうっかり、不眠症サ
と ねむたそうだった

ぼくのいる北方都心部は
きれまの無い窪んだ時間帯に久しく隔離されたまま
うだうだ
だらだら、繁栄を保っていた
ソコをそんなに…滞らせて
アレはずっと…まわしっ放しで
馬鹿みたいに上下し続け
似たようなとこばかり押し
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