イナカ/とわ
 
田舎が嫌いだ。

店はないし、交通手段だってすくない。
電車なんか、来ないことだってよくある。
終電は一つ前の駅でとまる。本当に不便。

私がすんでいるところは、すっごい山奥ではない。かといってビルが立ってもいない。微妙なのだ。

幼い頃は、近くに公園がないので、そこら辺の土手を走り回って遊んだ。車があまり通らないから、道路の真ん中にボーッとたっていたりもした。
家で飼っている猫なんか、道路で寝てる時もあった。そのとき、車がやってきたが、止まった。都会ではないことだろ。

そんな平凡が嬉しかった。でも、大きくなるとこの平凡は苛立ちにかわった。

遊びもかわり、どこかの街に出かけていくようになった。家にいるのも少なくなって、外で遊ぶことなんてなくなった。

好きだった土手も嫌いになった。

それでも、

それでも
私はこの町から離れることは出来ない。
だって、生まれ育った場所だし、大好きな自然だって思い出だってある。
それに、友達がいる。

だから、私はこの町が好き。
田舎だけど、好きでいたい。
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