スピードのある車窓/しめじ
カウンターに座りたいんです
駅のホームには誰もいません
船に乗って進んでいくと赤い桟橋があって
その下で耳の白い少女が風待ちをしている
人差し指に風鈴を結わえて
横断歩道に残された赤い靴
ポストに缶ビールを突っ込みまくる夜
蛇口をひねると希望しかでてこない
そんな明るい未来を子供たちに託したい
アルバトロスが鳴いた
鉄塊よスピードを上げて移動せよ
中に乗る人々は尻から雑言をひねり出す
世の中に更地しかなければよいのだ
赤いテープを巻いた犬達の遠吠え
車掌は不在
淑女も不在
女の白い脚ばかりずらっと並んでいる夜景
好戦的な微笑みが始終頭の周りを囲っている
口から出
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