☆162 TOKYO STASION/貴水 水海
俺とお前が
最後に 別れたのは どこだった
「最低だ」「最悪だ」「やってらんねぇ」
お前は 吐き捨てるように言って
きえちまった
今の俺は
「最低」で「最悪」かもしれないが
なんとか 生きてはいるぜ
思えば
俺もお前も 制服とかユニホームが
似合わない性分 着られない性質
俺もお前も ロボットには
向かない性分 なれない性質
お前が この街を捨てたのか
この街が お前を捨てたのか
俺も いつかこの街を捨てるのか
この街に 俺が捨てられるのか
お前の
よれたコートと疲れた後ろ姿は 忘れないぜ
今日 俺は
お前と最後に別れた駅に降りた
雨が降って 泣いてたぜ
「東京駅」
雨の TOKYO STASION
涙の TOKYO STASION
あうことは ないかもしれないが
生きろよ
俺も 生きてるぜ
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