晩酌 /服部 剛
 
熱燗を くいっ と 
喉に流したら 
顔がほってり赤らんだ 

杯に徳利を 
傾けては 
枡に納める 
晩酌のひと時 

笑いも涙もほろ苦く 
歪んだ脳裏にとけあって 

火照った猿顔で見下ろせば
徳利のしろい曲線に 
ひとすじ 
幸せそうな 
冷や汗が垂れていた 




戻る   Point(1)