霞/柊 恵
気を振り絞って言った。
「どうして意地悪するの?」
男の子は、びっくりしていた。
殴ろうとしてた手を引っ込めて言った。
「オマエ、幼稚園いってるのか!」
「まだ四歳だもん…」
「じゃ、オマエ、子分になれ!」
「子分て、なに?」
男の子は『しょうがねぇな』って顔をして言った。
「僕の おともだちになれ!」
おともだち…
そう言って男の子は照れくさそうな泣きそうな顔をした。
何だか可笑しくって
「いいよ」
男の子は すごく嬉しそうな顔をして
僕らは、おともだちになった。
男の子は一つ上で たかとしって名前だった。
僕の憧れの…幼
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