『琥珀の刹那』/あおい満月
 
 弄(あそ)ぶ指先
 止まらない髪先のひかり
 止まらないにわか雨
 
 ふるえる唇から
 零れる風の接吻
 
 枯葉のぬくもりが
 みえる窓硝子の彼方

 近づく雲のノイズ
 アスファルトの隙の
 浅く深い小さな湖に
 映える雨虹を
 壊す踵が生みだす
 道標を辿れば

 たどり着く
 ぬくもりの翳り

 あたたかな冷たさに 
 眠る澄んだ眼差し

 琥珀の眠息の
 詩が聴こえる



 ※第三詩集・『絆』より
 

 
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