ぎゃくもどり/
湖月
髪を掴んで押し込めた少女が
ちいさな爪で
カリ カリ と閉じた扉に穴を空け
隠したナイフを差し出した
ちゃんと生きるのには邪魔だったから
小さな部屋に閉じ込めたのに
少女は暗い目でにっこりと笑って
私の手を取った
そうして 果てのない塔へとふたり 旅立つ
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