『雪の日』/あおい満月
 
 空を舞う白いなみだ
 近く遠く
 リフレインする
 乳白色の風

 手のひらに
 あるものはすべて
 目を閉じていても
 哀しみは
 感じない

 だけど
 何故だろう
 逝ってしまった想い出に
 みえないなみだが
 止まらない

 雪の日はいつも
 過去が胸に沁みる

 わたしが生きてきたことが
 わたしが生きていることが
 傷口に滲む
 血になって
 時間を彷徨う

 今日の雪には

 響かない

 祈り


                         2009.2.27(Fri)

 
 

戻る   Point(6)