喫茶店の翌日/しべ
 
雨雨雨
蔓草まるまる昼の顔
隣で女がドリアをつつく

さあて
ハリオのポットと鍍金の晩餐だ

パンを焼いたら耳焦げる
凄い味わい砂のウバ
啜ると臓に鳴り響く
美術手帖もある
探幽探幽ホルベイン
パラリと空隙
書類は手付かずジャム舐めた

所詮は見てる男だし
波濤と燈台だけの視野

輪郭だけの白い海
攪拌された鴉の空
空の絵皿を浮かべて染めよう

今は楽しい
だから寂しい

終焉はいつだろう
無言ぽつりと蔓草は
赤い花だけ咲かせてた

戻る   Point(0)