喫茶店/
しべ
今日は少しだけ風が強いから
雨雲が喜んでる
爪跡も霞む窓に河川敷
水飴のように頼りない陰り
偶に鳴る鉄橋の響きなんて
すうっと遠い
音色の小さな一隅で
ゆっくり短針が捉える様
滲んだ輪郭線で追う姿
トーストが溶けて
紅茶の湯気が青々と這い
砂糖の肌を焦がしてる
テーブルに格子に文字を描き
忘れた傘に埃を浮かせて
暗い蕾と霧の雨
旅行雑誌の春を待って
虚空のページを巡れば
椅子の上
お皿はいつも空っぽになる
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