旗の渦/K.SATO
「山にするべ」
旗を山にすることもないのだが
うなづくと、あやふやな父は
僕に素直な 海水となる だから
それらは時を 回っていくーバットでもあって
走らずに
目の中をぼんやり眠らされているように
ベースたちを地上そのものみたいにして、
何もかもを夢の車に 座っていた
(ドス、と揺れる
(影は、木、として人を見つめている?
(せせらぎの
(動いている長針
僕はホームランを打とう
けれどテープはなく フェリーも見送られない
明るさは母をどこまで乗せられるのだろう
海が、河原に、怪しくはためいている
戻る 編 削 Point(0)