試作品「現代(超仮題)」/詩集ただよう
 
日本中の心象風景を見ようとしていた若い頃、優しいクラブミュージックが新しく聞こえていた頃、少ない人数の先端にいた頃、真面目なフリーターが増えすぎた頃、グローバリズムに活路を見出せる気がしていた頃、ヒップホップが幅を利かせて通り過ぎていった頃、テレビ番組が通信販売が芥川賞がメガホンを取れなくなった頃、不動産が製造業が輸入代行が慌てふためき出した頃、潰せなくなった法律に皹が入りだした頃、サイケは今でもどっかしらに具有していて、パンクも時折垣間見え、ヒッピーはコンビニでも会えて、とにかくもう、全てのことが同率で、衣料品にしたってそう、これじゃあジャパカジだよって、新しいねって、常にいいこととは限らないの
[次のページ]
戻る   Point(0)