愛の歌/
美咲 華菜子
繋いだ手を離した
散々愛の言葉を吐き散らかして
夢や未来なんて幻想を謳った
手に入れてないものは崩れてしまう
砂のお城のように
孤独な部屋の灰色の壁に頭を打ちつけ
赤く滴り落ちる液体を舐めても
まだ何処か遠くに行ってしまった気分で
赤い液体は透明な液体と交わり
それは世界の破滅という名の子供となった
散々愛の言葉を吐き散らかして
白い錠剤を口に押し込み
水と二つの物質で流し込んで
繋がっていたはずの手を硫酸で溶かしてしまえば
おやすみなさい
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