装置としてのシルクハット/しめじ
襞がポストから生えていて冠婚葬祭と呟き続ける赤白帽の男の子が転んだ
痙攣する舌先で
路上には緑色の壁面が泳いでいる
冷たい指先に触れた油彩画
方向指示器の余熱に耳を焦がしては性的な魅力に満ちたボタンを押しつづけるのです
噴水に吸い込まれて出会ったあなたと一緒に
風に乗った時計の短針を
飛びたいだけなのに
道路には日めくりが踏みつけられている
冬がいつまでもやってこない
電熱線の上に置かれた瑠璃ガラスの最期
追いかける人々の手にはハンマー
陳腐すぎる言葉から血が流れているのです
鳥居に差し込んだ陽光に瞬きを繰り返しながら
茶色い液体にまみれて通底器の中で夢見るくるぶしに唇
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