革命前夜/手乗川文鳥
 
ているだけ。

「半袖の赤いワンピースと白いサンダルで冬の海辺を歩きたいかも
「宮崎あおいもいいけど私は二十歳の黒澤優がずっと一番好きだな。譲らないね。

「あ。鳥が飛んでいった。」



倦怠は真夜中
僕たちは足の裏の皺を
伸ばしたり滅茶苦茶にしたり



「透明になることと乖離すること、私はいつも作り物の体を操縦しているのにその私ですら操縦されている。
「ねえ、この身体で一番柔らかい部分を、抉っても良い。
「見えないけれどある、見えるけれどない
「瞼に模様をつけなくちゃ電車に乗り遅れるんだ
「この街で一番高いビルや鉄塔にいつも私がい
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